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オオギンヤンマとリュウキュウギンヤンマ幼虫の比較
2012/11/17 Sat. 21:31 [飼育&羽化]
というわけで、今回はオオギンヤンマとリュウキュウギンヤンマ幼虫について(^^)成虫はまたそのうち、、

▲左2つがリュウギン、右2つがオオギンの羽化殻
まずこの写真を見て「あれっ(・・?)」と感じた人は僕なんかよりよっぽどヤゴに詳しい方だと思うので文章は気にせず写真だけ見て楽しんで頂けたらと。先述通りたいしたこと書いてないので(^^;)
上の写真、本来ならサイズ的に大きい方がリュウギンであるはずなのですが、どうやら若齢から豊富なエサと良好な環境のもと飼育した影響で最短の幼虫期に近い速度で一気に成長。その結果国内のギンヤンマ属最大種の割りには羽化した成虫は85ミリ弱という種内最小サイズに近いものとなりました。アオモンイトトンボやギンヤンマが幼虫期間の短い2化目の方が小型になるのと似たような理由ですね。
あと、オオギンは亜終齢と終齢から飼育した個体の羽化殻を選んだので通常サイズです。
そして下唇の比較。この2種の一番の同定ポイントがここなので。

▲オオギンヤンマ幼虫(羽化殻)の下唇

▲リュウキュウギンヤンマ幼虫(羽化殻)の下唇
まず羽化殻のを、、
(部位の名称については図鑑などを参照して頂くとして、)簡単に言うと下唇前基節の最大幅(一番広いとこ)と長さの(縦横)比が2倍以下なのがリュウギン、ほぼ2倍からそれ以上なのがオオギン。つまり下唇が長く感じるのがオオギン、
とたいていの図鑑などにも記載されているのですが、正直ヤゴ好きぐらいしかその違いが判らないレベル(^^;)
こうやって拡大して比較すると判り易いですが、フィールドでは比較も拡大もその場でできないですしね・・。
なので実際に羽化させて確認するか自信がない限り僕も「ギンヤンマ属sp.幼虫」と記載するところですが、今回はちゃんと確認した個体の羽化殻なので、自身で捕獲された際の比較用にでも写真を使って頂けたらと思います(^^)
で、次は参考用その2。生きた幼虫の下唇も、、

▲オオギンヤンマ終齢幼虫の下唇

▲リュウキュウギンヤンマ終齢幼虫の下唇
羽化殻より若干わかり難いですが、下唇が破損する心配がないのでノギスなどで実際に計測すると早いです。
あと確実性は低いですが、
・オオギンは腹部背面の2本の明線が腹端近くまでしっかり入る。
・頭部の形も若干異なり、オオギンはギン、リュウギンはクロギンを頭でっかちにしたイメージ。
あたりも違いが出やすく、個人的には他肛錐などの感じや♀は原産卵管の先端が至る位置なども気になるところ。

▲オオギンヤンマ終齢幼虫

▲リュウキュウギンヤンマ終齢幼虫
他何かいい同定ポイントがあればコメントお待ちしております(^^ヾ
~おまけ~

▲オオギンヤンマ中齢幼虫
オオギンの中齢は独特な緑色をしていてギン属幼虫の中では一際綺麗です♪
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この記事に対するコメント
オオギン・リュウギン幼虫比較。
Takaさん、おはようございます。
同属内の進化系統の距離ですね。
おそらくAnaxの共通祖先からオオギン・ギンの共通祖先とクロギン・リュウギンの共通祖先が最初に枝別れしたのは確かと思われますね。
下唇部の長さ(これは図鑑にもありますね)のみならず先端の形状も違うようです。‐この違いはギン・クロギンにも同じパターンで見られるので興味深いです。
オオギン幼虫の下唇端鉤部の両基部がリュウギン幼虫に較べて角張って外側に張り出し気味になっています。一方リュウギンは角張らずそのまますんなりと鉤部へ・・。
もうひとつ、下唇部先端の位置(正確に言うと「高さ」)にも両種幼虫で違いが見られます。オオギンはリュウギンよりも「顔」のかなり高い位置にきていますね。この違いもギン-クロギン両種幼虫にもありますよ。
後頭角もオオギンはギンに、リュウギンはギンに近いです。
横向き羽化殻でもオオギンはギン同様に扁平(というより「新幹線型」)の頭部形状です。-特に複眼にご注目。
あと最近着目(といっても私の場合ギン・クロギンですが)しているのが側棘の形状なんですね。
ギンヤゴのほうが全体に太く、やや外側に開いた感じなのですが・・オオギンにも僅かにその感じがあるような・・。
ギン・クロギン両種幼虫の頭部裏側の写真があるので、送りましょうか?
訂正です^^;
上記の文で「リュウギンはギンに近いです」とありますがクロギンが正しいです。
前後の文脈からお分かりとおもいますが・・。
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